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No.1 【いよいよ高学年だ! 号】                平成9年5月13日(火)

 お忙しい中、家庭訪問にご協力ありがとうございました。5年生になって、はや1ヶ月。子どもたちも、だいぶ新しい生活に慣れてきたようです。 

 保護者会や家庭訪問で「何かあれば、ご連絡ください。」とお伝えしてきましたが、やはり学校は、どうも敷居が高い・・・というのが実感ではないでしょうか。その敷居を1cmでも低くできればと思い、学級通信を発行することにいたしました。なにぶん、乳飲み子を抱えていますので(?)、発行は、不定期になるとは思いますが、よろしくお願いいたします。
 さて、学級通信のタイトルの「おいでよ!」は、ある子の一言です。その子の性格か、はたまた、巷の噂で怖いと評判のBAKU先生のクラスになったせいか(?)あまり話しかけてこない子がいました。新しいクラスのなって2週間くらいしてからでしょうか、私がもたもたしていたら、その子がとっても親しげに「先生、早くおいでよ!」と声をかけてくれました。何気ない一言ですが、とてもうれしく感じました。
 この「おいでよ!」という言葉の中には、『一緒にいこう』という気持ちも含まれています。私自身、子どもたちにそう言ってもらえる教師でありたいと願うと同時に、子どもたち同士が、いつもそういう気持ちで声をかけ合えるクラスになってほしいという願いを込めて、学級通信のタイトルとしました。

家庭訪問にご協力ありがとうございました

 初日がずいぶん遅れてしまったので、「1時間くらい遅れてくるわよ」と影の連絡網で情報が飛び交っていたようですが、時間に遅れて本当に申し訳ありませんでした。A小学校にきて、4年目になりますが、もう少し、地域の道に精通しなければいけませんね。本当に反省しております。ハイ。
 うちの長女が、今年、1年生になりましたので、我が家ででも家庭訪問を受ける側になりました。先日、娘の友だちの家族と一緒に食事をしていたところ、うちの奥さんと友だちのお母さんとで、家庭訪問の話題で盛り上がっておりました。「何か、子どもの部屋も見るんだってよ。」「え〜っ!」「何、話せばいいんだろうねぇ。」「あっ、カーテンを洗濯しなくちゃ・・・。パパ、明日、カーテンはずしてよね!」家庭訪問をしている立場の私としては、とばっちりがこないように知らん顔してアイスコーヒーをすすっていましたが、いきなり、友だちのお母さんが「ところで、何で家庭訪問するんですか?」と質問されました。さっと一斉に視線が集まり、「えっ?あのですねぇ・・・、それはですねぇ・・・。一番の目的は、子どもの家の場所を知ることなんですよ。」とむせかえりながらも答えました。
 実は、家庭訪問の一番の目的は、これなのです。はっきり言って10分程度では、子どものことについて話し合うには、無理があります。それでも、家庭訪問を行うのは、担任が実際に子どもの家まで行くということが、大変重要なことだからです。地図で知っているのと実際に行ってみるのでは、雲泥の差なのです。ですから、家庭訪問は、必要なのですが、うちの奥さんたちは、「ふ〜ん・・・」と一応頷いた後、再び、担任の先生を迎える用意について、詳細な計画を練るのでありました。

新しい友だちの紹介

 すでにお子さんから、お聞きかと思いますが、5月2日から新しい友だちが一人増えました。○ ○○君という中国からきた元気な男の子です。○君は、全く日本語が話せませんが、初日から、みんなと一緒にドッヂボールを楽しみました。クラスの子どもたちも、どうにか仲良くなろうと身振り手振りで一生懸命コミニュケーションをとっています。前日に、「もしかしたら中国の友だちが転入してくるかも・・・」と話したら、△△さんのお父さんが中国語を話せるそうで、○君 宛にお手紙を書いてくれました。△△さん自身も中国語で自己紹介できるよう練習してきてくれました。□□君は、「マンガ中国語入門」という本まで買ってきました。
 ○君のお父さんもお母さんも日本語が話せません。これから、いろいろな場面でお会いすることもあるかと思いますが、保護者の皆様もそのときは、よろしくお願いいたします。

まわって まわって まわって まわるぅ〜

 学年便りにも書きましたが、今年の運動会での表現は、「御神楽」という民舞に取り組みます。A小でも数年前に取り組んだことがあるそうですが、はっきり言って、難しいです。まず、最初に練習したのが、「扇子回し」です。実際には、手首をひねっているだけで扇子を回しているわけではないのですが、きれいに決まるとなかなかかっこいいのです。中心になって指導していただく○○先生曰く、「これができると座布団でも回せます!」(あんまり、座布団を回したいとは思いませんが・・・)
 2時間ほど練習したら、全員、それらしくなってきました。ところが、次の段階へ進むと両手両足を別々に動かすため、さっきまで回っていた扇子も思うように回りません。扇子回し自体も数パターンあって、これまた大変です。まだ始まったばかりですが、子どもたちはかなり意欲的に取り組んでいます。是非、おうちの方々も応援してあげてください。







No.2 【田植えをしました! 号】                 平成9年5月20日(火)

 今週から運動会特別時程になり、練習も本格的になってきました。体育館での練習は、もう汗だくです。みなさん、汗ふきタオルを用意しましょう。 やせるのを期待している担任より

 御神楽の練習は、すでに5,6年合同で4回行っていますが、5年生としては6年生に負けないように、隠れて特訓もしているのであります。その成果があってか、扇子回しなどは、ずいぶん決まってきました。
 御神楽という踊りは、何パターンかの組み合わせでできていますが、そのパターンの種類が結構多いのです。今のところ、以下のようになっています。

《これが御神楽だ!》

(前半) (後半)
わたり拍子×16
スピン×2
すわり止め
首振り×6
バック×2
ダイナミック×3
ダイナミック止め
すさり×4
立ち止め
トンシャン×4
石蹴り×8
稲刈り×4
足だし×4
すわり止め
わたり拍子×8
すわり止め
ダイナミック×18
ダイナミック止め
すさり×8
トンシャン×8
石蹴り×8
稲刈り×4
足だし×2
足だしスピン×2
立ち止め

 このパターンだけを書いても、何のことかさっぱりわからないでしょうが、詳しくは、お子さんに実演してもらってください。
 ところで、民舞ですので、音楽は、やっぱり和太鼓です。実は、私、「♪おいらはドラマー・・・おいらがたたけば、嵐を呼ぶぜ♪(注1)」と、学生時代にドラムをほんの少しかじったので、その和太鼓を私がたたくことになりました。気軽に引き受けたのですが、これが結構、難しいのです。パターンごとにたたき方が違うし、やはり洋物のドラムとは、リズムパターンがずいぶん異なるのです。う〜ん、盆踊りで練習しておけばよかった・・・。

(注1 私、この映画は見ていませんよ。だって東京オリンピックの年の生まれですもの・・・。)

白熱した議論の末に・・・

 教室に議題箱なる物を設置しました。学級会で話し合ってほしいことを書いて入れる箱です。先日、その中に次のような提案が入っていました。
 ◎ 雨の日に持ってきてよい物を話し合ってほしい。
 ◎ 1週間に1回くらい、班の中で席替えをしたい。
 ◎ 給食のおかわりの仕方について話し合ってほしい。
 そこで、学級会で話し合うことになりました。1時間で、この3つの議題を話し合うことはできませんので、最初に話し合う順序を決めました。何人かの人が「給食のおかわりについては、明日からのことだから最初に話し合った方がよい。」という意見が出され、最初に話し合うことになりました。
 はじめに次のような意見が出されました。
 A 全部食べ終わったら、おかわりをする。
 B 給食の準備ができたら、おかわりをしたい人がでてきてジャンケンをする。
 C ミカンなど数が決まっている物は、ジャンケンで決める。数が決まっていない物(汁 物など)は、おかわりしたい物が食べ終わったら、おかわりする。
 ここで、Aの意見に対して「給食が全部が食べ終わってからか、それとも、おかわりしたい物が食べ終わってからか。」という質問がでました。Aの意見を出した人は、「おかわりしたい物が食べ終わったら、おかわりする。」という意見であり、その後、少しの討論で、Aの意見は、Cの意見と同じということが確認されました。また、Cの意見に対して、給食の準備が終わってからだと、おかわりしたくない人が、いただきますをするまで待っていなくてはならないので、「いただきますをしてから・・・」という形に修正されました。
 Bに対する反対意見として、「全部食べ終わっていないのにおかわりすると、残してしまうこともあるのでよくない。」また、Cに対する反対意見として「食べるのが遅い人がいつもおかわりできなくてかわいそうだ。」ということが出されました。両者の意見とも、筋が通っています。
 話し合いは、次第に白熱して多くの人から意見が出されました。さらに、「数が決まっている物でも、分けられるときはどうするのか。」「汁物などでも、ほんの少ししか残っていない物は、早いもの勝ちになるのか。」など、細かい意見も出てきました。私の方で、司会に話し合いの進め方や論点の明確化など、随時、アドバイスをしましたが、混沌としてきました。
 時間の関係もあり、今まで出た意見を、私の方でまとめ、次のようになりました。
 (1)いただきますをした後で、残っているものを確認し、おかわりしたい人はでてくる。
 (2)数の決まっているもの、分けられるものは、ほしい人で相談し、ジャンケンなどで決める。
 (3)おかわりは、残さないで、時間内に食べられるという自信があるときにする。
 (4)ジャンケンで決めるようなものは、自分が一番ほしいものジャンケンに参加する。
  (例えば、ミカンのジャンケンで負けたからといって、牛乳のジャンケンには参加で きない。) 

 他愛もないことを、1時間もかけて話し合っているように思われるかもしれませんが、このような過程が大切のです。決定したこともさることながら、「自分たちで決めた」ということが大切なのです。
 ・・・それにしても、2年前に受け持った5年生も、最初の白熱した議論は、「給食のおかわりについて」でした。やっぱり、子どもたちにとって「給食」って重要なんですねぇ・・・。


○○さんが綿花の種を持ってきてくれました。班で一鉢ずつ育ててみようと思います。「よし!その綿で布を作ろう!」と△△君。・・・そこまでは無理かなぁ・・・。






 
No.3 【今日で私も23才! 号】                 平成9年5月28日(水)

 いよいよ運動会まであと1週間です。秘密特訓の成果もあってか、御神楽もだいぶ様になってきました。残る問題は・・・私がたたく和太鼓です。ターンタ タターンタ タンタタ タターンタ ンッタタタタタタ ンッタンタン

 運動会の練習で忙しい中、その合間をぬって(?)授業も進んでおります。算数では、少数のかけ算の勉強をしています。教科書では、次のように書いてあります。

  1. Aの式では、「3.4」では計算できないので、10倍して整数に直してしまう。
  2. Bの式になればふつうに計算できる。
  3. Bの式の答えが「6120」になり、さっき10倍したので、その答えを10分の1にする。  
  4. だから、答えは「612」である。       

 ここまで授業を進めて、

 子どもたちは、物わかりの悪い先生を納得させようと、いろいろ考えますが、なかなか説得できません。

 まず最初に、「=」は、答えを書くときに使うけど、「=」の右と左が等しいということを表していることを再確認します。

 子どもたちは、まだ文字式の学習をしていませんので、右辺から左辺へ移動する・・・というようなことは使えません。そこで、少しややこしいですが、このような方法で証明しました。教科書に書いてあることをそのまま正しい(もちろん、正しいのですが・・・)と信じたり、計算のやり方を覚えるのだけが、勉強ではありません。自分の持っている知識(今までに学習した内容)を総動員して、どうにか理解しようとする試みが大切なのです。
 ここまで読んで、『10倍したものを10分の1にすると同じ』という至極当たり前のことを、なぜこんなめんどくさい方法で証明したか不思議に思った方もいるでしょう。実は、その謎は、これから先の学習で大きな意味を持つのであります。ふっふっふっ・・・。






 
No.4 ♪ピーナッツバター♪号                 平成9年5月31日(土)

 さあ、明日は、運動会です。この1ヶ月間、子どもたちは本当によく頑張ってきました。今日の宿題は、「てるてるぼうずをつくる」です。

子どもたちは、本当に一生懸命練習してきました。

 扇子回しから始まった「みかぐら」の練習。例年、5,6年生は、組体操に取り組んできたので、先生たちの中で「みかぐら」をやろうかという話が出たときも、子どもたちの反応が心配でした。でも、「みかぐら」のビデオを見た後の子どもたちは、やる気満々でした。「先生、こうやって回すんでしょ!」「僕、もう覚えたよ!」と積極的に取り組みました。
 扇子も回せるようになり、ある程度、踊り方を覚えてくると、先生たちの要求も少しずつ難しくなってきます。「しっかり、足を開いて上下の差を付けよう。」「扇子の位置が低い!」 「目線はどこか。」「錫杖の鈴を鳴らすときには、手首のスナップをきかせて!」 「列をそろえることを意識しよう。」・・・。
 その厳しい要求にも、子どもたちは、必死に食らいついてきました。時には、うまくできない自分に腹を立てながら、時には、友だちと教え合いながら、子どもたちはがんばって練習してきました。次第にまっすぐ伸ばす腕にも力強さが見られるようになってきました。
 練習中、私は前で和太鼓をたたかなくてはならないので、近くで見てあげることができません。もちろん、教室で机を下げて練習したり、うちのクラスだけで体育館で練習したりもしました。でも、高学年になって、初めての大きな行事で、担任が近くにいてくれないということは、子どもたちにとってどんなにか不安だったでしょう。
 そんな不安を持ちながらも、子どもたちはがんばってきました。
 そのほかの、騎馬戦、130m短距離走、グランドパレード、そして、係活動。どれも、少ない時間をやりくりしながら、がんばってきました。

 運動会は、保護者のみなさんにとっては、学校での様子を見ることのできる数少ない機会のひとつです。写真を撮るのもいいでしょう。ビデオをうつすのもいいでしょう。でも、是非、子どもたちの真剣な姿を目に焼き付けてください。そして、そこまでに至ったその過程を感じてあげてください。もしかしたら、失敗するかもしれません。他の子と比べると・・・と思われるかもしれません。でも、怠けたり、適当にごまかそうとしていた子は、一人もいません。それぞれが、自分のできる限り、精いっぱい取り組んできたのです。このことを忘れずに、子どもたちの眼差し、表情、そのがんばりを見つめてあげてください。
 そうすれば、帰ってきた子どもたちに、かける言葉は、おのずと決まってくるのではないでしょうか。私も最後には、そんな言葉を子どもたちにかけてあげたいと思います。

チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェッーク!!

   ◎白の襟付きの長袖
   ◎黒か紺の半ズボン、スカート(キュロット可)
   ◎白の靴下

チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェック!!チェッーク!!

       授業参観の日程の変更について

 年間の行事予定では、6月27日(金)が授業参観となっております。けれども、この日に私が全日の研修日に当たってしまいました。これは、区の研修で日程をずらすことができません。
 そこで、大変申し訳ないのですが、うちのクラスだけ授業参観の日程を変更させていただきたいと思います。6月の学年便りに書きますが、6月10日(火)が○○移動教室の説明会(3:00から)になりますので、その前の5時間目を授業参観にしたいと思います。

6月10日(火) 1:40〜2:25  5時間目 授業参観
          3:00〜4:00  ○○移動教室説明会

 いろいろご都合もおありとは思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

▲学級園に植えたインゲン豆とトウモロコシの芽が出ました。理科の授業で観察をしています。それから、○○さんが持ってきてくれた綿花の種を今日、鉢に植えました。残った種は、ほしい人に持ってかえってもらいましたので、大事に育ててください。▲給食のおかわりは、みんな決めたルールでうまくいっているようです。▲給食といえば、意外と好き嫌いが多いので、驚きました。昔のように、掃除の時間まで泣いてでも食べさせる・・・なんてことはしませんが、やはり、努力はしてほしいと思いますので、自分でどこまでがんばるか決めてもらっています。▲それから、食べ終わるのが遅い子もいます。その原因は、(1)おしゃべりしている時間が多すぎる。(2)嫌いな物があるので、どうしても進まない。・・・の2つのパターンがあるようです。食器の片づけが終わるまで、給食当番の子が遊びに行けないので、(2)については、前述の通り、(1)については、もう少し食べることに集中するように話しました。その成果もあって、時間内で食べ終われるようになってきました。▲日本語が全く話せなかった○君も「おはようございます」「さようなら」「ありがとう」「ごめんなさい」とあいさつ程度は、話せるようになってきました。区に要請してきてもらった△さんという通訳の方も時々きていただいています。






 
No.5 【これで、すっきり号】                   平成9年6月3日(火)

 いかがでしたか、今年の運動会は。難しかった「みかぐら」声を張り上げた応援。8点差で負けてはしまったけれど、一人一人が頑張った運動会でした。

てるてる坊主のおかげでしょうか、今年の運動会は、前日までの不安定な天気を吹き飛ばすような青空でした。8:00になると、係活動のために子どもたちが次々と登校してきます。私は放送関係の担当なので、配線やらビデオの用意やらで子どもたちと顔を合わすこともできません。8:30になって教室に行くと、どの子も準備万端整っています。さすが高学年。
5年生になると出場する種目が増えるばかりか、係の仕事も大変です。そのせいか、心持ち子どもたちも緊張しているようです。校庭に出る前に「今年は勝つぞぉー!!」と気合いを入れて、さぁ、始まりです。
準備運動も終わり、最初は応援合戦です。うちのクラスからは、○○君、○○君、○○さん、○○さんが応援団に出ています。毎日、朝早くから放課後まで何度も練習していました。赤も白も例年よりも大きな声で応援できたような気がします。
最初の学年種目は、130m短距離走です。子ども曰く「なんで130mが短距離なんだZ」そういわれても、やはり短距離走なのですが、練習の時よりも、スタートの仕方に気合いが入っていました。私の「よぉーい!!」の声でさっと足を引き、合図とともに勢いよくスタートします。セパレートコースですので、走るにつれてその差が縮まります。
 ちなみに、私がやっていたピストルを下で鳴らす方法は、○○先生独自のやり方をまねさせてもらいました。(○○先生も見に来てくれました。)
悔しくも惨敗してしまった騎馬戦。練習では、いい勝負だったのですが、勝負は、時の運もあるのです。一生懸命やったのなら、それでいいのです。
運動会の最中、5年生の席には、子どもたちはほとんどいません。
いつも鉄棒前で待機している準備係、短距離走の度に、順位を間違えないように緊張している審判係、5年2組に出ている得点板と校庭を常に行ったり来たりしている記録採点係、私とトランシーバーで連絡を取り、間違えないように内心どきどきしながらもアナウンスをしている放送係、その他の係も、来年、自分たちが先頭に立って進めていかなければならないことを思い浮かべながら、責任と自覚を持って走り回っているのでした。
午前の部も終わり、楽しい昼食がすむといよいよグランドパレードです。昼食を食べ終わった子から、次々に着替えて来ます。
鍵盤ハーモニカを吹く子もそうですが、器楽クラブに入っている子は、特に緊張しています。クラブ活動が始まってから、2ヶ月弱の晴れ舞台です。運動会が近づくにつれて、毎日のように朝練で特訓してきました。今年は時に4年生の入部者が多かったので、音が出せるか心配でした。でも、4年生の子たちも本当に一生懸命練習して、音が出せようになりました。やはり、好きこそ物の上手なれです。
 指揮者の合図とともに始まり、トランペットのファンファーレが鳴り響きます。私は、記録のために2階からビデオを撮っていましたが、練習の時よりも一段と決まっています。鍵盤ハーモニカの音も聞こえます。何回も練習した成果が発揮されています。
そして、いよいよ「みかぐら」です。ここで、子どもたちの様子を書きたいところですが、運動会の会場の中で踊りを見ていない唯一の人間が私なのです。本番ということで気負っていたのでしょうか、いつもと何かが違う。たたき初めてすぐに左手の親指の腹が痛み出しました。痛みは、だんだん強くなります。痛みに気を取られていつもなら難なくできるところまでトチってしまいました。途中、6年生の○○君と交代したときに、親指を見てみるとマメができてきているのです。また、私の番になり、気にしないようにたたいていると、親指をかばったせいか、今度は左手がつりそうになってきました。おかげで、最後はリズムも狂ってくる始末。一生懸命、踊っている子どもたちに本当に申し訳なくなってきました。それでも、最後に決めて退場していく子どもたちの顔は、うっすらと紅潮して満足そうでした。今まで練習してきたすべてを出し切ったようなすがすがしいものでした。
 最後の得点種目、高学年の紅白リレー。赤のゼッケンの6年生が転倒してしまうハプニングも起きましたが、どの子も真剣な表情でトラックを駆け抜けます。放送席の後ろに集まってきた卒業生からも大きな声援が送られます。
 こうして、数々の精いっぱいを見せてくれた運動会も幕を閉じました。8点差で負けるという結果に、教室に戻ってきた子どもたちも何か沈んだ感じがします。閉会式に6年生の○○君が言っていたように、全力を出しきったのだからそれでいいという気持ちもあります。自分のがんばりに決して後悔はしていないけれど、何かしらモヤモヤしたものが残っています。帰りの会も終わり、さよならをするために起立します。
 そこで、私が一言。「みんな、叫ぶぞ!!せぇ〜の!!」

  くやしい〜!!

(その後、2組から「うれしい〜!!」と返答がありました。)






 
No.6 【○○湖に出発だ!!号】                  平成9年6月30日(月)

 行って来ました、○○移動教室。台風一過。とてもいい天気の中の出発です。
(○○君のお兄ちゃんへ。今年のBAKU先生は、雨男ではありませんよ。ふっふっふっ。)

さぁ!出発だ!

 7時10分。学校集合です。みんな元気に集まってきました。お見送りの方もたくさん来ていただきました。班長さんによる出発式も立派にできました。いよいよバスに乗り込みます。
 バスに乗り込むとそれぞれ自分たちで決めた座席に座ります。バスの座席は、1日ごとに変えることにしました。最初は、3日間とも同じ座席にしようという意見も出たのですが、うちのクラスは、男子9名、女子13名なので、好きな人同士で座るとどうしても、一組だけ男女で座ることになってしまいます。私がそのことを伝えると、3日間とも同じ座席がいいと言っていた子たちもすぐに意見を変えました。しかも、「1日ごとに座席が変わった方がいろんな友だちと仲良くなれる。」という追加意見も出されました。5年生になって2ヶ月半。子どもたちは、確実に成長しています。
 バスになると、ホッとする間もなく出発です。大勢の見送りの人に手を振る子どもたち。座席がひとつ空いています。実は、○○さんが、不参加なのです。数日前に、おうちでご不幸があり、そのため、出発の日(21日)はお休みしなければならなくなりました。おうちの方も、せめて2日目からでも参加させたいといろいろ手を尽くされたのですが、諸事情で結局、参加をあきらめることになりました。

移動教室は、勉強の場です

 さて、バスは一路、○○湖の○○荘に向かって走ります。台風が通り過ぎたため、空は、ぬけるような青さです。高速道路にのり、しばらく走るともう富士山がはっきりと見えてきました。思わずみんなから「ワーッ!!」と歓声が上がります。バスレク係の子が車内を盛り上げます。あっという間に、車窓は、ビルから緑深い山々に変わりました。
 1号車には、○○先生[図工専科の先生]が同乗してくれましたので、ここで山の色合いについて話をしてくれました。山は緑の木々で覆われているのですが、遠くの山ほど青みがかった緑になっていくというのです。これは、あのレオナルドダヴィンチが発見したいう「空気遠近法」だそうです。なるほど、空気は、空が青いように、青色を反射しますので緑+青になるのだそうです。う〜ん、高尚なお話だ。勉強になりました。
 勉強といえば、移動教室は、勉強の場です。決して遊びに行くのでもまくら投げをしに行くのでもありません。そのため、私もしおりに高尚な問題を「本日の学習」としてのせました。ハイ。
 私が、何気なく「今、左に見えているのが相模湖です。相模湖は、桂川をせき止めて作った人造湖で・・・」と説明すると子どもたちは、はっと鉛筆を握り、書き込んでいます。このように、レクの間にもきちんと学習を・・・もとい、学習の合間にもレクをしながら、バスはひた走るのでありました。

ドーンと富士山

 バスは、高速道路をおり、富士ビジターセンターに到着しました。ここには、富士周辺の自然についていろいろな展示物があります。動物、鳥、植物、鉱物、富士山の出来方。「先生!!見て!!見て!!」・・・子どもたちの学習意欲を喜ばしく思いながら振り返ると、「ほら、先生!!こわいよぉ!!」それは、縄文時代の竪穴式住居・・・?なぜここにそんな物があるかですって?う〜ん・・・とにかくあるんです。その縄文人の人形を見て「あの中にあるヤツ、こわいよぉ!!」君たち・・・ここは、豊島園のお化け屋敷じゃないんだぞ。
 屋上の展望台にあがるとドーンと富士山。同行してくれた写真屋さんも「こんなにきれいに見えるのは、初めてですよ。」と絶賛。みんなで集合写真を撮りました。

忍び寄る不審な影・・・

 次に行ったのは、パインズパーク。ここは、はっきり言って何もありません。とにかく広い一面の芝生。でも、子どもたちは、あっちの斜面に行ってはゴロゴロゴロ・・・。こっちの斜面に行っては、ゴロゴロゴロ・・・。ビーチボールでぶつけあいっこしたり、50mくらいある斜面を走り降りたり・・・。ホントに元気です。
 青空の下、はしゃぎ回る子どもたちを、暖かな眼差しで見つめる担任。「いい天気で本当に良かったなぁ・・・。」とつぶやいたその時、背後に忍び寄る不審な影・・・。ハッと気がつくと「キャハハ!」と逃げていく○○さんと○○さん。私のズボンのポケットに、雨上がりでにょきにょき生えてきたキノコが、いっぱい詰められていました。ムムッ、不覚。
 パインズパークを出て、いよいよ○○荘に到着します。○○荘が見えてきたそのとたん、「うわぁ!きれい!」と歓声が上がります。

お弁当のおかずは、友情なのだ!!

 自分たちの部屋に荷物を入れて、おうちの人が作ってくれた愛情いっぱいのお弁当を食べます。子どもたちに、お弁当を食べるように指示し、さて、先生たちもお昼にしようかと思ったその時、○○君の班の子たちが、「先生〜!!」と走ってきます。高々とかかげられたその手には、「ククレカレー」のパック。「先生!!○君[中国籍の子]がこれ持って来ちゃったよぉ!!」○君も何か違ったなと気づき、困った顔をしています。
 前日に通訳の△さんが来てくれましたので、しおりを見ながら詳しく説明してもらいましたが、やはり、細かいところは解らなかったのでしょう。
 宿舎の人に頼んで暖めてもらうことはできますが、それでは、「お弁当にレトルトパックは、おかしいんだよ。」ということが、○君に伝わらないかもしれません。班の友だちに、「おかずを少し分けてあげられるかなぁ。」と頼むと「うん、いいよ!!」と明るい返事。中国大陸からやってきて、誰一人知らない日本という国の中で、言葉も話せないのに、こんなに明るく元気な○君でいられるのは、友だちの、この優しさのおかげです。本当に素敵な子どもたちです。






 
No.7 【絶景かな、絶景かな号】                 平成9年7月3日(木)

 お昼も食べ終わって、同宿の○○小学校と一緒に開校式をします。児童代表の言葉は、○○君です。

はい、やります!!

 出発の前の日、開校式の児童代表の言葉を言う人を決めました。○○移動教室から帰ってすぐにあるプール開きの児童代表の言葉を言う人も決めなければなりません。もっと早くに決めておけば良かったのですが、移動教室の準備が忙しくて遅れてしまいました。

 「2組にお願いするかぁ」というおどし文句も多少ありましたが、両方とも立候補で決まりました。高学年になると、このような代表者を決めることは、何回もあります。私の方から誰かにやってくださいとお願いすることもできますが、やっぱり、自分から立候補してほしいのです。多少、つっかえようが、うまくできなかろうが、自分からやるというその意欲を大切にしたいのです。
 開校式では、○○君も立派に代表の言葉をつとめ、いよいよ○○山の登山に出発です。

目指すは、あの鉄塔だ!!

 ○○荘の裏から道を歩き出します。私が先頭を歩き、班ごとに並んで出発です。私がビデオカメラで撮しながら「は〜い、元気な人?」と問いかけると、「はぁい!!イェイ!!ピース!!」と大はしゃぎ。5分後「まだ、大丈夫かなぁ。」「平気、平気!!」10分後、「元気な人?」「・・・はぁい」15分後「お〜い、みんなぁ、ほらビデオで撮ってるよぉ。」「・・・・・・。」
 20分後、小休止します。今までは、別荘が建ち並ぶ私有地の中の舗装道路を登ってきました。

 いよいよ、山道に入ります。土の地面になって、周りの木々の緑も鮮やかに、ようやく登山という気分になってきます。最初の登り道が結構、急斜面で最初の難関。子どもたちの言葉も少なくなってきました。

 う〜ん、信用のない担任です。トホホ。

 しばらく、歩いてから、立ち止まります。そして、後ろを振り向かせると、大きな○○湖がきらきらとかがやいています。今まで登るのに精一杯だった子どもたちからも、歓声や、感嘆のため息が聞こえます。それは、写真やテレビで見ても、決して聞かれることのない子どもたちの声です。
 ・・・ですが、まだ頂上まで4分の1も歩いていないのでありました。

(まだまだ、つづく)






 
No.8 【ゴクゴク、プハーッ号】                  平成9年7月4日(金)

 ○○山の登山も、いよいよ中盤戦。最初は、班ごとに並んでいた列も乱れてきました。

風がおいしい

 ペースの遅い人に合わせて歩くという基本をふまえ、女子の班を先頭に歩いてきましたが、やはり体力のある男子が、ずんずん追い抜いて先頭グループに入ってきました。いつもは、ワイワイ騒いでいる男子ですが(失礼!)、このようなときには、さすがに頼もしい限りです。
 行程の約半分の場所で、休憩を取りました。ここでは、座って水筒を飲んでもいいと伝えると、待っていましたとばかりに飲み始めます。「まだ半分だからね。」との忠告も何のその、ゴクゴクと飲む子。少し飲んだだけで、後に取っておく子。う〜ん、性格が出てしまいます。
 移動教室の説明会で水筒の話が出ましたけれど、少し大きめの水筒を持ってきた子もいれば、ふつうの(遠足に持っていく程度)大きさの子もいます。大きさはともかく、山歩きですから、自分で飲む量を考えるということが大切なのかなと思いました。
 さて、先頭組が休憩している間に後続のグループも到着してきました。ここで、先頭組は、出発です。休憩で一息ついたせいか、ずいぶんと元気が出てきたようです。難所といわれる中腹の丸太階段も頑張って登り切りました。すると、もうすぐそこに頂上が見えます。

 全く、人聞きの悪いこと言う子たちです。子どもたちの鋭いつっこみにもめげず、最後の丸太階段を登っていきます。頂上まであと10mくらいのところで止まり、後ろを振り返らせます。眼下には、今登ってきた道が見えます。後からくる子たちが、豆粒のように見えます。

・・・気づきません。

・・・後ろを振り返って見ています。

 そこで、○○先生[2組の担任]を呼ぶことにしました。

○○先生。きちんとこけてくれました。

 こうして、先頭組は、頂上に着き、さわやかな風をいっぱいに吸い込みました。続々とみんなも到着します。頂上からは、富士山のその雄大な姿が目の前いっぱいに広がっています。
 最後に到着したのは、○○君。○○君は、前日まで3日間、熱を出して休んでいました。無理させずに宿舎で待たせようかとも思いましたが、せっかくですから、いけるところまで頑張らせたいと思いました。○○荘に勤務している看護婦さんが、一緒に行ってくださることになったので、○○先生[保健の先生]とともに3人でゆっくり歩いていくことにしました。何度もくじけそうになったそうですが、看護婦さんの巧みな話術に励まされ、頂上まであと少しとなりました。クラスの友だちが、「○○君、がんばれ!!あと5m!!4m!!3m・・・。」と声をかけます。そして、最後の一歩は力強く登ることができました。
 ○○山は、山登りとしては、それほどたいへんなコースではありません。でも、クラス全員が、互いに声を掛け合い、水を分け合い、励まし合いながら登ったこの山道は、子どもたちの素晴らしい思い出となることでしょう。
 帰りは、登ってきた道を下りていきます。水筒の中身が空になってしまったある子がこんなことを言いました。
「先生!この涼しい風を思いっきり吸い込むと、何か、とってもおいしい水を飲んだような 気分だよ。」
 疲れたけれど、とってもさわやかな気分の○○山登山でした。

 最後まで、元気いっぱいだった男の子たちは、宿舎に走ってたどり着くと、用意されていた冷たい牛乳を『基本のポーズ』で飲み干し、ちゃんと『プハーッ!!』と言っていました。

(またしても、つづく)






 
No.9 【好きな人はクラスにいます 号】            平成9年7月5日(土)

 1日目のお楽しみ、キャンプファイヤーが始まりました。司会進行は、○○君と○○さんです。

校長先生、お似合いです

 校長先生が、カーテンの衣装をまとって、火の神の登場です。「おーい、子どもたちよ、集まれぇ〜。」の声に、4人の火の神の子どもたちが集まります。そして、それぞれが火を分けてもらい、点火です。♪燃〜えろよ、燃えろ〜よ・・・と歌い、次第に火が大きくなります。最初は、班ごとの出し物です。各班とも即席でいろいろな出し物を披露します。替え歌あり、寸劇あり、恐い話ありとそれぞれ工夫しています。続いて、飛び入りです。待っていましたと、○○君と○○君が飛び出します。「それでは、ピーナッツバターを踊ります!!せぇ〜の、♪ピーナッツバター、ピーナッツバター・・・♪」これぞ、2人のオリジナルダンス『ピーナッツバター』です。

『ピーナッツバター』誕生秘話

 5月のある日の給食の時間。

 と○○君と○○君が、飛び跳ねるように手を挙げています。
その様子が、おかしかったので、

 2人は即興で踊りだし、クラスのみんなは、大爆笑。

 こうして、『ピーナッツバター』は生まれました。それ以来、2人は血と汗と涙の特訓を重ね、今日のこの発表の日を楽しみにしていたのです。

うれしはずかしオクラホマミキサー

 そして、フォークダンス、マイムマイムとオクラホマミキサーです。子どもたちは、男女で手をつなぐのを恥ずかしがるのですが、個人的には、このフォークダンスは、はずせません。特に、5年生になって初めて教わったオクラホマミキサー。男女ペアになり、先生に「ちゃんと手をつなぎなさい。」と言われ、「いやだよぉ」と文句を言いながらも、ぎゅっとつなぐ手と手。俺はやりたくないんだぞ・・・という顔をしながら、内心ドキドキしてしまう心。そして、もうすぐあの子と踊れると思っていると、必ずそのひとつ手前で終わってしまう不思議な法則。あぁ!!青春の思い出!!

ハレル〜ヤ!!

 子どもたちが楽しみにしていたものに『ハレルヤゲーム』という物があります。私がギターを弾きながら、「♪男の子だけぇ」「♪女の子だけぇ」と歌うと、該当する子だけが、「♪ハレル〜ヤ」と答えます。「♪歌が好きな人〜」「♪ハレル〜ヤ」「♪1曲歌ってもいいな」「♪ハレル〜ヤ」と答えてしまったのは、○○君一人。

 こういう展開になるとは、知らずに答えてしまった○○君。あせりまくりますが、そこは芸達者な彼のことです。すぐに、お得意のナンバー『愛の言霊』をギターの伴奏で熱唱してくれました。
 「♪好きな人がいる人」「♪ハレル〜ヤ」恥ずかしがりながらもしっかり歌う正直者の子どもたちでした。

どうやって直そうか・・・

 移動教室での楽しみのひとつ(楽しみばっかりだなぁ)に、先生に隠れて夜遅くまで起きていて、友だちと話をするということがあります。暑くて眠れないだの、電気をつけないといやだだの、こんなに早く眠れないだの、子どもたちは、ゴチャゴチャいいますが、疲れて眠い子もいるのですから、時間になると電気を消します。それでも、あっちでヒソヒソ、こっちでコソコソ、はっきり言って先生には、すべてお見通しですが、このスリルがたまらないのでしょうかねぇ。
 「うちの子は、寝相が悪くて・・・」と心配していた保護者の方もいましたが、ご安心ください。みんな、布団の上でグーピーグーピー言いながら、アクロバット演技をしています。朝方は冷え込むので、布団を掛けにまわるのですが、中には「どうやって直そう・・・」と考えて込んでしまうくらい不思議な寝方をしている子もいます。本当に、寝てまで元気な子どもたちです。 

好きだよ〜!!

 いよいよ2日目。楽しみにしていた富士山五合目は、台風の影響で土砂崩れがおきて通行止めとなり、復旧まで1週間以上かかると言うことなので、残念ながら、中止せざる得ませんでした。そのかわり、バスで朝霧高原をまわり、白糸の滝、音止めの滝を見に行きました。
 白糸の滝につくまで、バスレクをしていきます。子どもたちが、用意してきたクイズなどをやったり、しりとり歌合戦をしたりしました。しりとり歌合戦のバツゲームは、白糸の滝に向かって『好きだよ〜!!』と叫ぶこと。みんな、バスに酔うのも忘れて、必死です。負けたチームは、恥ずかしがりながらも、青春ドラマよろしく、滝壺に叫んできました。

天然記念物なんですけど・・・

 昼食は、川口湖畔の「ふなつや」というところでとりました。昼食もさることながら、子どもたちのお楽しみは、おみやげを買うことです。お店が混んでいたので、全部使い切ることができない子もいましたが、それでも、ワイワイガヤガヤ、ショッピングを楽しんでいます。時に、人気があったのは、『富士マリモ』。帰りのバスでは、2つのマリモに「マリリン」と「モリリン」だの名前をつけて楽しんでいました。
 ところで、天然記念物の「マリモ」。どうして、売っているんでしょうかねぇ。

(いったいいつまで続くの・・・とお思いでしょうが、またもやつづく)






 
No.10 【笹の葉サ〜ラサラ♪ 号】               平成9年7月7日(月)

 お昼も食べ終わり、午後は氷穴、青木ヶ原樹海、風穴、忍野八海を見学します。

天然の冷蔵庫です

 バスが、氷穴に到着しました。一列に並んで氷穴の中に入っていきます。入口から1mでも入ると急にひんやりします。「わぁ!涼しい!」の声も、すぐに「ひぇ〜!寒〜い!」と変わります。とても狭い階段(幅50cmくらい)を滑らないように気をつけて下りていきます。鉄だと冷たすぎるのか、階段の手すりも竹でできています。どんどん道は狭くなり、しゃがみながら歩かないと通れないくらいになります。あちこちに氷の固まりが置いてあり、氷の大きなつららもあります。 
 子どもたちは、ある程度氷穴について説明を聞いていますが、この寒さと狭さには、本当に驚いたようです。歩いているうちに、いつの間にかUターンした形になり、出口へと戻ってきます。寒かった分だけ、外は蒸し暑く感じます。眼鏡をしている子は、「眼鏡が曇ったぁ!」と騒いでいます。

「先生・・・この看板・・・」

 氷穴の見学後は、すぐそこにある青木ヶ原樹海の入口へと入っていきます。いわゆる自殺の名所と聞いている子どもたちですが、実際歩いているとそこら辺のハイキングコースとかわりありません。しかし・・・。ありました。自殺防止の看板。さっきまで、ワイワイはしゃいでいた子どもたちも一瞬にしてシ〜ン。目がテンになっています。
 青木ヶ原樹海を抜けると、そこには風穴の入口があります。風穴は、氷穴に比べるとそれほど狭くありませんが、樹海を歩いてきたせいか、氷穴よりも寒く感じたようです。一番奥にあるヒカリゴケもしっかり見てきました。

100年前の水

 再び、バスに乗り、忍野八海へと進みます。台風の影響で池が濁っているのではないかと心配しましたが、いつも通りきれいな水がこんこんと湧き出ていました。この池の水は、富士山の雪解け水が、80年〜100年かけて湧いてくるといわれています。100年前の水を手にするのは、ちょっと不思議な気分です。

誰もおどかさないってば・・・

 土砂崩れで富士山の五合目にいけなかったのは、本当に悔やまれますが、これも自然の驚異を経験したことになります。宿舎に帰り、牛乳を『ングッ、ングッ』と飲んだあと、お風呂に入り、食事です。
 食事も終わり、いよいよ待望のきもだめしです。移動教室が始まるずっと前から、「先生、きもだめしやるの?」「何人でいくの?」としつこく聞いていた子どもたちに対して、私の答えは、「もちろんやります!原則は、男女ペア!!」と声を大にして明言してきました。
 公約通り(?)、きもだめしの始まりです。きもだめしのコースは、○○山に行くときに通った道です。しかも、出発地点に行くまでにもう一度通ります。つまり、○○山の行き帰り、そして、今と計3回も通っている道です。でも途中、街灯などが全くない部分があり、本当に足下さえ見えないくらいの真の闇なのです。

(すいません・・・まだ続くんです・・・)






 
No.11 【さらば、○○湖・・・ 号】                平成9年7月8日(火)

 さぁ、きもだめしの始まりです。「電話ボックスでクルクル・・・」の謎も解けます。

終われば強気の子どもたち

 スタート地点に到着すると、○○さん[外部指導員]が○○荘に伝わるお化けの話をしてくれます。もうすでに半ベソ状態の子もいますが、ここでくじ引きをします。めでたく(?)男女ペアになった子、惜しくも(?)女同士で行くことになった子、出発順に並んで待ちます。一カ所分かれ道があるので、私は、そこで待つために先に出ました。
 木の陰に座り込んで待っていると、「なんだ、恐くないなぁ。全然、平気だなぁ。」とずっとしゃべりながらくる子、歌を歌いながらくる子、なんだかんだ言っても、恐がる女の子の手をしっかり握ってあげている子、様々です。スタート地点からカーブしながら坂道をあがってきます。この道は、街灯が少しあり、やや明るいのですが、○○荘へ戻るには、左に曲がらないといけません。この道が本当に暗いのです。人間の心理として、どうしても明るい方を選んでしまうのか、何度も通っている道なのに、みんな、明るい道をまっすぐに行こうとします。この曲がり角の暗闇にしゃがんでいる私は、「こっちだよ・・・。」と話しかけます。そのとたん、「早く来いよぉ、恐くなんかな・・・ギャー!!」私は、決しておどかしているのではなく、道案内をしているのです。お間違いなく・・・。

 ○○さんと△△君のペアが登ってきます。

 どの組もワーワーキャーキャー言いながら、通り過ぎていきます。間隔をあけて出発しているのにいつの間にか6人〜8人の集団になって到着します。最後の組が通り過ぎ、私がゴールに戻ると、「先生、全然、恐くないよ!」とみんな口々に息巻いています。

 こんなこと言っているから、信用なくすんですね。

グーグースヤスヤ・・・

 2日目の夜は、昨日の疲れもあったのか、みんな、結構早く寝ました。夜中に数回布団を掛けにまわりますが、相変わらず、おへそを出している子、隣の子のおなかに足を乗っけている子、布団にしがみついている子、寝言を言っている子、ほとんど気をつけの姿勢で寝ている子、布団をかけ直してあげると寝ぼけながらも「ありがとうございますぅ・・・」とお礼を言う礼儀正しい子。愛しい子どもたちの寝顔を見ながら、笑いをかみ殺している担任なのでありました。

墨絵の世界

 いよいよ3日目。最後の日です。雨がしとしと降っていますが、傘をさして○○湖畔へと行きます。○○湖の湖畔に着くとスケッチをします。○○先生[図工の先生]の説明を聞いてみんな思い思いに描き始めます。富士山は、すそ野に雲をたなびかせ、正に墨絵の世界です。
 スケッチもおわり、湖面に向かって水切りをしたり、貝殻を拾ったりして遊んでいます。すると、どこからともなく白鳥の親子が水面を泳いできました。まっすぐこちらに向かって泳いできます。親子仲むつまじく湖面を泳ぐ白鳥を見て、子どもたちもため息混じりに感動していていました。
 最後の食事を○○荘でとり、とうとう○○湖ともお別れです。○○荘の人たちに見送られ、バスが出発しました。

 この3日間で、子どもたちが得たものは何だったのでしょうか。大自然の中で実際にその目で見たもの、触れたもの。友だちと寝食をともにした楽しいひととき。それも確かにあるでしょう。でも、本当に子どもたちが経験した大切な物は、どうにかみんなに楽しんでもらおうと必死になって係の仕事に取り組んだその一生懸命さ。自分の甘さを指摘されて考えさせられた仕事に対する責任。頑張った友だちにおくった声援。そして、一緒の時間を過ごすことのできなかった友だちに書いた一枚のはがきや、少ないお小遣いを握りしめ、「どれを買っていってあげたら、喜ぶかなぁ。」とつぶやいていたその優しさなのではないでしょうか。

(ようやく、おわり) 

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